オーストリアの2016年ヴィンテージ:厳しい天候、素晴らしいワイン

March 9, 2017 - 生長サイクルと収穫がローラーコースターに乗るように推移することを想像して欲しい:これこそがまさしく、オーストリアのワイン生産者とオーストリアワイン愛好者が、2016年の天候について記憶に刻むことだ。最終的にワインは、白、赤、甘口ともに良好から素晴らしい品質――部分的に非常に限られた量しかできない場合もあったが――となった。

乾いて暖かな冬に続いて、多くのオーストリアのワイン産地では、とても早い発芽が訪れた。

© AWMB / Egon Mark

4月最終週の強い寒波が酷い霜害を招いた。その際、天候パターンが異常に強かったため、標高の高い畑まで被害を被った。特に霜が酷かったのは、シュタイヤーマーク全体、ブルゲンラントではノイシードラーゼーとアイゼンベアク、そしてニーダーエスタライヒではカルヌントゥム、テルメンレギオンとヴァッハウ西部のシュピッツ周辺だ。対照的に、ウィーンやニーダーエスタライヒの残りの地区ではほとんど霜害は報告されておらず、こうした地区では通年平均以上の収穫すら見込まれ、16年のオーストリア全体の収穫量を押し上げた。
 
比較的雨の多い春の後、夏も降雨が多く、長い熱波はほとんど存在しなかった。雨の日が多かったことで、害虫に冒されたり、ベト病やウドン粉病に罹患する恐れが高まった。8月最後の週に事態は好転し、晴れて安定した天候が訪れ、収穫主要期の間続いた。そこここにいくらかの貴腐はあったものの、少なくとも収穫の時期は、例外的な注意深さで選び取ることができた。

バランス良く、果実香味に深みがあり、品種個性に富んだ白ワイン

若いワインの最初の試飲によれば、バランスの取れた、果実香味に奥行のある、品種個性に富んだ白ワインとなりそうだ。アルコール・レベルは2015年より明らかに低いがエクストラクトは良好で、酸は概して高いが強烈すぎることはない。グリューナー・ヴェルトリーナーの軽めのクラスは、長い間なかったほど良い出来だ。プレミアムクラスのグリューナーは、しっかりとしたボディーと躍動感、繊細なテクスチャーを併せ持つ。他の白の主要品種であるリースリング、ヴァイスブルグンダー、シャルドネとソーヴィニヨン・ブランは、いつもの通り、というより更に果実香味溢れ純粋な味わいの白となりそうだが、霜害に遇い収穫量の少ない地区に関しては、適切な時期に予約をすることを気に留めておくべきだ。

ムスカテラーに関しては、キャラクターがとてもデリケートでフレッシュなものからフローラルで派手なものまで、非常に多岐にわたっている。テルメンレギオンでは地場品種のロートギプフラーとツィアファンドラーが、飛び抜けて焦点が定まり調和の取れたワインになった。そして気まぐれなローター・ヴェルトリーナー――貴腐の脅威の高い年には好ましい成果を上げないブドウ――は、例えば2015年同様素晴らしく、凝縮して注目に値する。リースリングについては、詳細な評価を下すには早過ぎるが、ワインは非常にクリアで活き活きとしており、核果のアロマがキビキビした酸のストラクチャーに対してくっきりと浮かび上がるようだ。そしてオーストリア全土にわたって、ブルゴーニュ品種についての不満は聞かれない。シャルドネもヴァイスブルグンダーもグラウブルグンダーも、パワフルでありながらキメの細かい、おそらく長期熟成向上するワインを生んでいる。

ブルゲンラントの白も非常によく似た――やや線が太くミーティーなこともあるが――キャラクターを示しているが、フレッシュな酸の表現が、良い効果を生んでいる。そしてシュタイヤーマークに関しては、収量不足については既に何度か言及されており、特に軽いオーツヴァイン(村名ワイン)については深刻な結果をもたらした。しかしながら、シュタイヤーマークの生産者達は、この厳しい年に、ラーゲンヴァイン(=単一畑ワイン)やプレミアムワインは出荷できるよう、可能な限りの努力をした。最初の試飲では、ソーヴィニヨン・ブランとシャルドネは凝縮感に富み、口中で若いうちからエレガントで円やか、そしてバランスが取れている。

首都ウィーンのワイン生産者間には、2016年は一部の貴腐による損害以外は、(遂にようやく!)雹と悪天候から免れ、総じて高い収穫量を上げることができたことで、笑顔が広がっている。ウィーンの白品種は全体的に健全でストラクチャーに富む。ウィーナー・ゲミシュターサッツは、2016年の好ましい収穫環境を通し、一様に喜ばしい高レベルに達することができた。

赤ワインは固めから深みあるものまで

赤ワインに関しては、一般的予想を述べることが非常に難しい。というのは今年の結果は、オーストリアの各赤ワイン産地によって著しく異なるからだ。厳しく固い、2004年や2007年ヴィンテージに最も近いスタイルのワインがある一方、他方には類まれに凝縮し焦点が合った、エクストラクトとタンニンに富む、オーストリアを代表するヴィンテージにも劣らないワインが存在する。総じて高い糖度に恵まれ、十分以上のエクストラクトがあり、かなり力強く、そでれいて刺々しかったり未熟なタンニンを感じることはない。ツヴァイゲルトには濃い色の果実味とストラクチャーの非常にしっかりしたものがあり、同様のスタイルのブラウフレンキッシュと簡単に取り違えるほどだ。後者は、とりわけ黒々とした深い風味とブラックベリー、プラム、そしてサワーチェリーのアロマのワインで、例外的に長期熟成する可能性がある。カベルネとメルロも必要な熟度に達し、ボディーとタンニンに関しては、欠くことは何もない。

凍りつく時間からの甘美な恵み

プレディカーツヴァインの最終評価を下すには時期尚早だが、わかっていることは、収穫量は通年より少ない、ということだ。しかし非常に喜ばしいのは、2016年ヴィンテージの凍ったフィナーレが、様々なアイスワインを生み出したことだ。12月、そして2017年の1月には、要求される寒冷さに達した夜が十分な日数存在し、そのため多くの生産者が酸の溌剌としたキリっと締まったアイスワインを造ることができ、それらは個々の品種の典型的個性を伝える果実風味に溢れている。

プレス情報

オーストリア・ワイン・マーケティング協会

[t] +43(1)5039267 [f]: +43(1)503926770
Prinz-Eugen-Straße 34 / 1040 WIEN / ÖSTERREICH
Austrian Wine on facebook, twitter und youtube
FN 78 209p / Handelsgericht Wien