ヴァッハウ (Wachau)

急な段々畑。高貴品種。不朽のワイン。

ユネスコ世界遺産のひとつであるヴァッハウは、メルクとクレムスのふたつの町の間、ドナウ渓谷に横たわる、天然の美を誇る地域です。グリューナー・ヴェルトリーナーとリースリングが1344ヘクタールの畑に植えられており、その一部は非常に急な斜度の段々畑です。最上の畑からは、何十年もの熟成可能性がある、世界の白ワインの中でも最上とされるワインが生み出されます。

栽培面積

1,344  ha

主要ブドウ品種

グリューナー・ヴェルトリーナー、リースリング

代表的な町や村

シュピッツ、アルンスドルフ、ヴェーゼンドルフ、ヨッヒング、ヴァイセンキルヒェン、ロイベン、ロスサッツ、マウテルン

A picture shows wineyards in the Wachau
© AWMB / Gregor Semrad

ヴァッハウはオーストリアの最もエキサイティングで魅惑的なワイン産地のひとつです。数百万年にわたって、ドナウ川はその凝固した片麻岩と角閃石の間を曲がりくねる水路によって、渓谷を形成してきました。急斜面の結晶岩石土壌の段状畑は、傑出したリースリングを生みます。氷河期には植生は乏しく、偏西風が漂う砂を、風下の東向の結晶岩の丘へと運び、それがレスの層となりました。これは偉大な、たっぷりとして雄弁なグリューナー・ヴェルトリーナーが育つ場所です。並外れて多様な地質的地域は、最良の向きの段状斜面の地質構造とともに、更にバヴァリアの修道院によって中世にこれら急斜面でブドウが耕作されたことと相まって、壮大でユニークなヴァッハウの景観を形作っています。

Wachau, © AWMB

1980年代の中頃、ヴァッハウで革新的な考えをもつ優れた生産者たちのグループ「ヴィネア・ヴァッハウ(Vinea Wachau)」は、同じく”ヴィネア・ヴァッハウ”と名付けられた、彼ら独自の規格を発表しました。この規格では、辛口の白ワインが、アルコール度数を 基として3つのカテゴリーに区分されています。11,5度までの香り高いライト・ボディのワインは、シュタインフェーダー(Steinfeder:背の高 い羽毛のような草、スティパ・ペナータから命名)。最も一般的なカテゴリーは、11,5度から12,5度の、フェーダーシュピール (Federspiel)。そして遅摘みブドウから造られるリッチで力強い辛口ワインは、スマラクト(Smaragd)という名が与えられています。

気候もまた重要な役割を果しています。ここでは、西の大西洋と東のパノニア平原という二大気候要因が、相互にかみ合っています。さらには、それぞれ の畑は、傾斜、太陽への向き、土壌環境、さらには日中の太陽熱を吸収する石造りの壁や崖といった要因によって、独自の微気候をもっています。暑く乾燥した 夏と厳しい冬の影響は、ドナウ河によって和らげられ、北方のヴァルトフィアテル地域からの涼しい夜風は、収穫前の重要な月における日中と夜間の気温差を広 げます。

ヴァッハウの歴史的環境、例えばシュピッツ、ヴァイセンキアヒェン、ヨッヒングからデュルンシュタイン、そしてロイベンを訪ねたなら、定評のある生産者とお勧めのレストランを訪ねない訳にはいかないし、それらはしばしば互いに徒歩圏内にある。ドナウ南岸も足を伸ばす価値あり。リースリングとグリューナー・ヴェルトリーナーという並外れた熟成能力を持った王者と並んで、地場品者であるノイブルガー、ゲルバー・ムスカテラー(ミュスカ・ブラン)、そしてソーヴィニヨン・ブランが、洒脱な味覚のセンセーションを巻き起こす。