オーストリアのワインツーリズム

旅行をすると、人はそれについて何か物語を語る:訪れる国がオーストリアであれば尚更のことだ。息をのむ景観について、城や城塞、そして愛らしい村々、オーストリアン・ホスピタリティーとユニークな郷土料理、そして何より、世界中の通人を誘うオーストリアワインについて、旅人は語るだろう。そうした偉大な語りがアメリカの39,000余りの旅行代理店を魅惑し、彼らは2016年1月に、オーストリアを「ヨーロッパのベスト・ワイントラベル・デスティネーション」に選出した。「ワイン・ツアーはまだニッチ商品に過ぎませんが、明白な成長の兆しを見せています。というのはワイン産地を訪ね、その特別な生活感を満喫することは、オーストリアを訪ねる人々の今日的精神にズバリ呼応するからです。」とオーストリア政府観光局長ペートラ・シュトルバ女史は語り、またオーストリアワインマーケティング協会会長ヴィリー・クリンガーは「総計1億3500万人の宿泊客のうち、すでに200万人以上がワインと食目的の休暇を過ごしている。ワインツーリズム関連の売上は約5億ユーロと見積もっている。」と話し、この分野のさらなる可能性を指摘している。

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ワインの国オーストリアは、夏だけではなく一年中、ワイン産地における年中行事への興味に巧みに訴え、訪問へといざなう。春には1000以上のニーダーエステライヒのケラーガッセで、春の目覚めを駆り立て、ゲスト達を新しい年号のワインとともに典型的な郷土料理と多彩な文化的プログラムで楽しませる催しが行われる。同国最大のクヴァイテーツヴァイン生産地——その何百年にわたるワイン造りの伝統が、日々の暮らし、建造物、そして景観によって特徴づけられるような——における焦点は、ユネスコ文化遺産ヴァッハウ、古代ローマの遺跡を擁するカルヌントウム、ワインのテーマパーク”ロイジウム”、”文学とワイン”あるいは、初秋に行われるテルメンレギオンの”世界一長い屋台”といったイベント・シリーズ等だ。

”オーストリアの緑のハート”シュタイヤーマークもまた、年間を通してワインの旅が楽しめるところだ。暖かくなり始める頃に行われるヴィンテージ・プレゼンテーションは、訪問客を吸い寄せ、訪れる人々はそこで瓶詰めホヤホヤの、典型的な生き生きとした、果実酸味豊かなシュタイヤーマーク産ワインを楽しむために長めの週末を過ごし、春に目覚めたなだらかに連なる丘の上に広がるワイン畑の景色で、目と魂をリフレッシュする。シュタイヤーマークの人々は、ゲストを一年中いかなる時でも、ヴルカンラント・シンケン(ハム)やパンプキン・シードオイルのような美味しい特産物で、訪問客を喜ばせることに長けている。秋には特に、シュタイヤーマーク・ワインの旅は、寛いで癒される無数の温泉への旅と組み合わせるのが快適だ。

日が最も長く夜が短くなる頃、ブルゲンラントは沢山の切り札を手にする:自転車での遠出、或いはヨーロッパで最も西に位置するステップ湖であるノイジードラーゼーで寛いだ水浴びをする一日は、暖かい季節なら元気回復を約束する。夜には近隣の村々が楽しく活気ある宿を提供し、そこでは伝統的ブルゲンラント料理と傑出したセレクションの赤、白、そして甘口ワインを楽しむことができる。特に赤ワイン好きはさらに南に下って、”ブランフレンキッシュラント”と呼ばれるミッテルブルゲンラントやアイゼンベアクで、その味わいを満喫する。

そしてウィーン? ウィーンは世界的に特別な位置を占めている:市内に重要なワイン畑を要する唯一の首都として、その事実は活気溢れるホイリゲの伝統にも反映されている。オーストリアの壮麗で歴史に彩られた首都で産するワイン達は、独自の方法で、名高いウィーン料理との組み合わせで、世界中からの観光客に対して、ウィーン滞在中に王冠を授けるのだ。

オーストリアワインの魅惑的な世界は、その扉を広く開けて訪問客の訪れを待っている。オーストリアワインマーケティング協会のウェブサイト (www.austrianwine.jp)上のワイナリーとワインショップ・サーチを使えば、詳細で味わいに富む行程の計画が可能となり、ユニークなワインの国オーストリアの偉大なる物語の一部に、自ら成ることができる。