ワインは二千年紀以上にわたってオーストリアの文化の一部であり続けている。今日でもローマ時代のセラーや中世の街並み、そしてバロック様式の修道院とその所有畑を、ワイン産地のいたるところで見ることができる。
オーストリアでは、このようなワインの長い伝統に深い敬意を払いつつも、それを現代ワイン文化の基礎として活用するというユニークなスタンスを取っている。オーストリアの現代ワイン文化は、オーストリアワインを品質的に新たなレベルに到達させるようなダイナミックな醸造家やワイナリーによって特徴づけられる。 しかしこの「再生」は、単に美味なワインそのものに反映されるのみならず、オーストリアのワイナリーの新たな建築ブームにも影響を与えており、国際的な関心と賞賛を集めている。オーストリアにおいては、実験的”ナチュラル”ワインシーンもまた、とりわけ盛り上がりを見せている。

若いワイン生産者たちは伝統的叡智を踏まえ、それを醸造学校や世界中のワイナリーで得られた経験と組み合わせ、自覚的に新たな道を切り拓いている。