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ヴェストシュタイヤーマルクのブドウ栽培面積はわずか660ヘクタールですが、ワイン生産者たちはそれらを熱心に栽培し、驚くほど多様なワインを生み出しています。多数のブドウ品種から造られる洗練された白ワインや、誰もが認めるこの地域の代表的なワインである、生き生きとした酸味を持つシルヒャーなどです。このユニークなテロワールを表現するロゼワインは、この地域の主要なブドウ品種であるブラウアー・ヴィルトバッハーから造られ、この地域の特産品として国際的に有名です。


ブラウアー・ヴィルトバッハー、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴァイスブルグンダー

シュタインツ、ザンクト・シュテファン・オブ・シュタインツ、ドイチュラントベルク

産地とワイン

シュタイヤーマルクで最も小さいワイン生産地は、古代のワイン国であり、イリュリア人、ケルト人、そして後にはローマ人がブドウを栽培していました。ブドウ畑は、標高600メートルに及ぶ細長い帯状に広がっており、コーラルペ山脈とライニシュコーゲルの麓、南下してスロヴェニアとの国境まで続いています。

 

この特殊な地形では、日中に気温が上昇し、厳しい風からはブドウ樹が保護されます。北のリギストからザンクト・シュテファン・オブ・シュタインツを経て、ドイチュランズベルク、アイビスヴァルトへと向かう道中では、急な坂道を登り(絵に描いたような小さなセラーが点在している)、深い谷を越えていきます。グライスドルフ、グンデルスドルフ、ヴィルトバッハ、ヴィースなどのワイン村を訪れると、ワインだけでなくパノラマの景観もとても印象的です。また、この地域に特有でかなり珍しいものとして、古い片麻岩と雲母片岩からなる石の層があり、南ヨーロッパと地中海の影響を受けた、比較的降水量の多いイリュリア気候も特徴的です。

 

これらすべての要素の相互作用が、この地で生産されているワインのスタイル・特徴を決定付けます。ヴェストシュタイヤーマルクは、シルヒャーのホームであり、ブラウアー・ヴィルトバッハー(大部分のブドウ畑で栽培されている古代のブドウ品種)が、ピンク色のワインとその素晴らしいサクセスストーリーを産む原料ブドウです。元々は酸味の強い素朴な田舎ワインでしたが、意欲的な生産者のもとで継続的な品質向上が図られた結果、イチゴやラズベリーなどの赤いベリー系の香りと爽やかな酸味が印象的な、非常に価値あるワインに生まれ変わりました。

 

2018年のヴェストシュタイヤーマルクDACの導入に当たって、特にシルヒャーが考慮されました。ヴェストシュタイヤーマルクは、シュタイヤーマルクで唯一、シルヒャーに保護原産地呼称を与えることが許されている地域です。さらに、ヴェルシュリースリング、モリヨン、ヴァイスブルグンダーなど、その他の典型的なシュタイヤーマルクの白ワインも、ヴェストシュタイヤーマルクDAC、またはヴェストシュタイヤーマルクDACリザーヴと名乗ることができます。ソーヴィニヨン・ブランは、オルツヴァインの等級で重要な役割を担います。

 

ブラウアー・ヴィルトバッハーから造られる希少な赤ワイン、スパークリングワイン、甘口ワインも見逃せません。これらはそれぞれの個性的なスタイルを持ち、オーストリアのワインカントリーに彩りを与えています。これらのワインのラベルには「シュタイヤーマルク」の原産地が記載されます。

 

シルヒャーは、ワインツーリズムの観点からも重要な成功要因となっています。このワインの特徴とそのスタイルは、ヨーロッパで最も手つかずで印象的な美しいワイン風景のひとつであるこの地の、真のアンバサダーとなっています。

The picture shows a vineyard.
The picture shows a vineyard.

ヴェストシュタイヤーマルク DAC
2018ヴィンテージより

最良の葡萄畑の表現と可能性

収穫の翌年5月1日付でリリースされる(シルヒャーを除く[ヴェストシュタイヤーマルクのみ]2月1日付)最大残糖分4.0g/l***

地元の特産

収穫の翌年5月1日付でリリースされる(シルヒャーを除く[ヴェストシュタイヤーマルクのみ]2月1日付)、最大残糖分4.0g/l***
ヴェストシュタイヤーマルクDAC: リギスト、シュタインツ、ドイチュランツベルク 、アイビスヴァルト

地域の多様性

収穫翌年3月1日以降リリース(ヴェルシュリースリングとシルヒャー[ヴェストシュタイヤーマークのみ]は収穫年の12月1日以降) 最大残糖度4.0g/l *
Rerserve Icon

リザーヴ

最短販売日が規定の18ヶ月後(シルヒャーは12ヶ月)以降に設定されている場合、「リザーヴ」と追加表記が可能

収穫は手摘みでなければならない!

許可品種: ヴェルシュリースリング、ヴァイスブルグンダー、モリヨン、グラウブルグンダー、リースリング、ムスカテラー、ソーヴィニヨン・ブラン、トラミナー、ブラウアー・ヴィルドバッハー(ヴェストシュタイヤーマルクのみシルヒャーの場合)、これらの葡萄品種から造られるキュヴェ
*例外: 'トロッケン'に分類されるリースリングとトラミナー
**例外:トラミナーとリースリングの'トロッケン';クラッヒャー・トラミナーは"ハルプトロッケン"、あるいは、プレディカーツヴァイン階層、残留糖度の制限無い場合。
***例外: 'トロッケン'に分類されるリースリングとトラミナー

要点

許可品種

ヴェルシュリースリング、ヴァイスブルグンダー、モリヨン、グラウブルグンダー、リースリング、ムスカテラー、ソーヴィニヨン・ブラン、トラミナー、ブラウアー・ヴィルドバッハー(ヴェストシュタイヤーマルクのみシルヒャーの場合)、これらの葡萄品種から造られるキュヴェ

品質レベル
  • ヴェストシュタイヤーマルクDAC: 収穫翌年1月15日以降、ヴェルシュリースリングとシルヒャーは収穫年の12月1日以降、連邦検査番号提出
  • 自治体名表記のヴェストシュタイヤーマルクDAC: 収穫翌年の4月1日以降、シルヒャーは収穫翌年の2月1日以降、連邦検査番号提出
  • 単一畑名表記のヴェストシュタイヤーマルクDAC: 収穫翌年の4月1日以降、シルヒャーは収穫翌年の2月1日以降、連邦検査番号提出
  • 「リザーヴ」の追加表記:最短リリース日が各等級の規定より18カ月(シルヒャーは12ヶ月)遅い。
アルコール度

規定なし

残糖値
  • ヴェストシュタイヤーマルクDAC: 最大 4 g/l; リースリングとトラミーナーは辛口
  • 自治体名表記のヴェストシュタイヤーマルクDAC: 最大 4 g/l; リースリングとトラミーナーは辛口
  • 単一畑名表記のヴェストシュタイヤーマルクDAC:最大 4 g/l; リースリングとトラミーナーは辛口
風味の特徴

規定なし

ラベル表記
  • ヴェストシュタイヤーマルクDAC: 原産地呼称(「DAC」を含む)は、メインラベル(必要な情報をすべて記載したラベル)および表ラベルに表記し、また、収穫年を記載しなければならない。シルヒャーは「Schilcher Klassik」と表記すること。
  • 自治体名表記のヴェストシュタイヤーマルクDAC: メインラベル(必要な情報がすべて記載されているラベル)と表ラベルに、原産地呼称(「DAC」を含む)と自治体名を記載しなけれなならない。
  • 単一畑名表記のヴェストシュタイヤーマルクDAC: メインラベル(必要な情報をすべて記載したラベル)と表ラベルに原産地呼称(「DAC」を含む)とブドウ畑名を記載しなければならない。
  • 原産地表示が「シュタイヤーマルク」のクヴァリテーツヴァインは、「シュタイヤーマルク」よりも詳細な地理的表示を記載してはいけない。
オルツヴァインの主要品種
  • リギスト: ブラウアー・ヴィルトバッハー (シルヒャー用)、ソーヴィニヨン・ブラン
  • シュタインツ: ブラウアー・ヴィルトバッハー (シルヒャー用)、ソーヴィニヨン・ブラン
  • ドイチュラントベルク:ブラウアー・ヴィルトバッハー (シルヒャー用)、ソーヴィニヨン・ブラン
  • アイビスヴァルト: ブラウアー・ヴィルトバッハー (シルヒャー用)、ソーヴィニヨン・ブラン

地質

ブドウ畑の大部分は、酸性の結晶質硬質岩である東アルプスの岩盤の上に築かれており、東側では一部が粗く、大部分は緩いシュタイヤーマルク盆地の岩盤の上にあります。いわゆるシュヴァンベルガー・ブロック・ルーブル(結晶石の立方メートルサイズのブロック)は、コーラルペ山脈のはるか彼方まで水路で届き、ザンクト・シュテファン、ヴィルトバッハ、シュヴァンベルク周辺のブドウ畑に分布しています。盆地の外周にある別の地層は、河川によって堆積した緑がかった砂からなり、盆地の内側に向かって、粒子の細かい砂・粘土のフローリアン層に変化しています。これらは、約1,600万年前に浅いパラテティス海で堆積したものです。結晶質の硬い岩石は、硬い板状の片麻岩、変成岩や一部ペグマタイト質の片麻岩、母岩のほか、花崗岩質の雲母片岩、頻度は低いですが角閃石や大理石などで構成されています。

 

Weststeiermark, © Austrian Wine
[Translate to Japanisch:] Das Bild zeigt Backhendl auf einem Teller mit einem Glas Roséwein

料理のヒント

[Translate to Japanisch:] © ÖWM/Blickwerk Fotografie

料理のヒント

ヴェストシュタイヤーマルクの白ワインと、この地域の代表選手であるシルヒャーは、昔から郷土料理と一緒に楽しまれています。ハム、ベーコン、チーズ、スプレッドなどのブッシュシェンシャンクの冷菜盛りと合わせると、ワインの酸味で食が進みます。シルヒャーは、シュタイヤーマルク名物フライドチキンとの相性も抜群です。カリッとしたパン粉が、シルヒャーのキリッと引き締まった味わいと強烈な果実味を引き立てます。シルヒャーをインドのラム肉を使ったビリヤニと一緒に頂くと、まるで遥か旅に出た気分を味わえます。日本では、お寿司を食べるときにサーモンや魚卵と合わせたり、あまり見かけないイワシと合わせたりするのがお勧めです。.

 

リンク

法律上の規定ヴェストシュタイヤーマルク DAC (ドイツ語)

DAC ピラミッド シュタイヤーマルク

地図

地質学

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