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2012年ヴィンテージ – よい収穫年

2012年のヴィンテージは、オーストリアワイン・ファンに、フルーティーでフルボディーな、とても美味しいワインをお届けする。本当は、もっとたくさん量があれば、さらによかったのだが・・。天候に恵まれ、非常に健康で成熟したブドウが収穫された。しかし夏は乾燥したため、安定した発酵と輝くようにクリアなアロマが得られるよう、セラーでの作業には細心の注意が必要とされた。また、本来の風味と熟した果実がいい具合に融合し、適度な酸を得られるよう、セラーで入念な作業が行われた。若いワインがその果実味の豊かさで突出するだけでなく、2012年ヴィンテージの多くのワインは素晴らしい熟成が期待できる品質だ。

A picture shows the wine harvest, © Austrian Wine / Committee Kamptal.
© Austrian Wine / Committee Kamptal

収穫量は減少

オーストリア統計局の10月末現在の推計によると、収穫量は210万ヘクトリットル弱となり、過去5年間の平均収穫量に比べ、約40万ヘクトリットルのマイナスだった。主な原因となったのは、ニーダーエスタライヒ州に著しい損害をもたらした、5月の遅霜だ。

ニーダーエスタライヒ州

今シーズンは、5月18日夜の霜のために悪いスタートを切った。ニーダーエスタライヒの中でも特に、プルカウタール地方(北西ヴァインフィアテル)で6000ヘクタールに渡り、ブドウの若木が損害を受けた。続く夏の乾燥と暑すぎない気候は、生育期間にはよい影響を与えた。酸が著しく減少するのではないかという恐れも、当たらずに終わった。収穫時の気候は2011年と似ていて、ほぼ途切れなく続いた好天のおかげで、収穫時期を希望の熟成具合に合わせ、好きに設定することができた。近づく寒冷前線のために、見積書の計算を取り消すような事態にはならなかった。
今年もおおむね非常に健康なブドウに恵まれ、雹害の問題がなかった範囲で、房に充分な隙間がある良質のブドウが産出された。しかしそれはワインケラーで圧搾するブドウジュース用には、足りる量ではなかった。それだけ今年の収穫は少なかったということだ。今年認可された酸性化の規定に適応した酸マネジメントにより、高水準でクリーンな発酵が行われた。ここ数年間の経験から、当地のワイン生産者は、夏の乾燥のため果汁供給が一部減少することで、発酵に困難が生じる状況に敏感になっていたが、今年はそういった問題はなさそうだ。 ベルモットの原料の「ニガヨモギの小粒」は心のつらさを表現する成句でもあるが、ニーダーエスタライヒで収穫量が従来の160万から110万ヘクトリットルに減少するであろうことは、その言葉通り、惜しいことだ。

ブルゲンラント州

収穫開始時のみならず、今年のブルゲンラントは常に先頭に立っていた。気候においても収穫においても、同州はオーストリアのワイン製造における勝者だった。穏やかな冬の後、適度な湿度のある春が来た。凍結被害も時折あったが、たいしたことはなく克服可能で、雹害も今年は少なめだった。早期開花が、8月前半の早い収穫に繋がった。
結果として、収穫量は例年並だったが、約75万ヘクトリットルというワインの収穫は、昨年を上回った。収穫時に好天に恵まれて作業がはかどり、迫り来る寒冷前線や腐敗のタイムリミットもなかった。最善のブドウの健康状態が高品質をもたらし、最初の白ワインは抜群にフルーティーかつフルボディで完璧だ。今年の赤ワインは深く暗い色で、力強い味覚を特徴としている。ノイジードラー湖の両側で、シュペートレーゼもアウスレーゼも非常に高い品質で、充分な量を生産することができた。高級品なボトリティス菌を利用した貴腐ブドウとアイスワインの多くがまだ畑に残されているが、今後数週間の状態が、甘口ワインの2012年ヴィンテージを決定づけることになる。

シュタイヤーマルク州

今年の生育期間の天候は、南部の州にも明らかに影響を及ぼした。イースターマンデー(4月8日)に降りた霜により、特にムスカテラーの収穫が減少した。ニーダーエスタライヒとウィーンでの5月17日・18日の強い凍結は、当地にはあまり損害を及ぼさなかったが、それよりも乾燥した気候から強い影響を受けた。7月の天気には地方によって差があり、非常に乾燥している状態から、降水量300mmまでの振り幅があった。ヴェストシュタイヤーマルクでは何度も雷雨があったが、ズュートシュタイヤーマルクでは悪天候は全く観測されなかった。
8月20日から収穫が始まり、9月10日からは集中的に収穫された。高い糖分がアルコール中で増えすぎず、果実味が保たれるようにするためだ。ブドウの房に充分な隙間があること、雨の影響が収穫の終わりには消えていたことが、収穫時に確かめられた。このことは品質の高さにつながったものの、実質的には低い収穫量となった。約19万5000ヘクトリットルという量は、ちょうど平均だ。シュタイヤーマルクの2012年ヴィンテージは、風味が豊かな濃厚なワインに特徴付けられ、ソーヴィニヨン・ブランは、より熟成したアロマを醸し出す。ムスカテラーは芳醇で濃厚な出来で、ヴァイスブルグンダーは、おなじみの見事なナッツの香りで魅了する。ユンカー(=シュタイヤーマルクの新酒)にも、豊潤な果実味が期待される。

ウィーン

天気の神はウィーンのワイン生産地にも寛容だった。5月17日から18日にかけての不吉な凍結の夜にも、シュタマースドルフ地区のみが、10ヘクタールに渡る大損害を受けるに留まった。それ以外には雹害もなく、天候状況は収穫に至るまで良好であった。4月からは充分に温暖で、雨の多かった7月でさえも、ブドウに危害は及ばなかった。そのため、品質は非常に良く、生産者はウィーンでも、アルコール分を低めに保つべく、早期に収穫に取りかかった。このヴィンテージは、フルーティーでフルボディな高品質ワインとなるが、残念ながらウィーンでも、収穫量は22000ヘクトリットルと、平均をやや下回る。

プレス情報

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