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オーストリア・ワイン2010年 挑戦の年

2010年の気象状況はオーストリアの

ワイン醸造者にとって持っているノウハウと力量の殆どが求められました。

冬の天気はとても冷たい気温と2月にはまるで春のような気温の間に揺れ動き、そしてその後3月も凍えるような気温で始まり春のような陽気な気温で終わりました。4月はオーストリアの西部と南部では乾燥していましたが、ブドウ栽培地方は雨が激しく、雹が降り水浸しになりました。

 

Vintage, Copyright AWMB / Armin Faber
Vintage 2010, © Austrian Wine / Armin Faber

5月には部分的に多くの雨が降り、それで太陽は余り出ませんでした。6月も又ぎくしゃくした夏の始まりでした。それで開花時期の寒さと雨のために受粉と結実に問題がありました

開花時期は昨年に比べ約2週間遅れましたが、それは標準的なものと思われました。7月末までの天候は比較的乾燥していましたが、8月から降った雨が成長に影響を与えました。その結果感染率が高まり、ブドウの品質保持を守るために余分な仕事が必要でした。

幸いなことに雹は例年に比べ大きな役割をしませんでした。9月の天気も冷たく湿っていたので、ブドウのより高いグラデーションを期待できず出来るだけ健康なブドウを収穫するのが第一の目的になりました。更に10月末の湿った天気が収穫を難しくしました。

 

少ない収穫量

8月には例年平均の14%以下である220万ヘクトリットルの収穫量を期待していましたが、その後この見積りも大幅に下方修正しなければなりませんでした。オーストリア・ブドウ栽培協会会長のヨゼフ・プライル氏によれば収穫量は約170万ヘクトリットルになり、1997年以来最小の年になるでしょう。特に損失の大きかったのはニーダーエスタライヒ州で、ブドウ栽培地域のヴァインフィアテルは約25%少なく。 

又同様にヴァグラム、カンプタールそしてヴァッハウもはるかに少ない量が見込まれています。 

ブルゲンラント州

他のワイン栽培地方と同様に基本的には良い天気に恵まれましたが8月は全く湿った天気でした。アイゼンシュタット市は雨の最も多かった町だけで。 

なく1m2/255リットルは65年来の最大降雨量でした。それ故に健康な赤ブドウの収穫を,可能な限り高めのグラデーションよりも優先しました。

ゼーヴィンケル(ノイジードラーゼーの東側)では10月初めに収穫はほとんど終わり、特別なものだけ木に残しました。同時期にミッテルブルゲンラントでもツヴァイゲルトは殆ど収穫され、ブラウフレンキシュだけブドウの健康が許される限り木に残されました。ズュートブルゲンラントでは主な収穫は10月中旬になってようやく始まり、他の地方よりも雨が少なく、天気に恵まれたためより健全なブドウとより多くの収穫量がありました。

時宜にかなった収穫のブドウは今年はフルウティでしっかりとした、地方の性格が良くでている多くの種類が期待できます。良い品質を喜ぶ一方他方では悲しいながら収穫量が40%少ないことです。

シュタイヤーマルク州

シュタイヤーマルク州では今年の収穫量は前年に比べ少し多かったですが、同様な天候のため平均以下でした。花は比較的良く咲き、落花も少なく、夏は比較的乾燥し悪天候の被害も少なかったために良い収穫量と品質が期待できました。しかしながらその後シュタイヤーマルク州は土砂降りになりました。8月以来400mm以上の雨が降り、突然の腐敗の損失を避けるため又ブドウの良い健康状態を失わない為に早めの摘み取りを強いられました。それ故に2010年の摘み取りは多くの場所で10月の半ばにすでに終わりました。ワイン栽培ディレクターのヴェルナー・ルッテンベルガー氏によりますと170.000ヘクトリットルで満足しなければならない様です。シュタイヤーマルク州の1人当たりの消費量に基ずけば、計算的には半年でワインセラーが空になります。量の期待が充たされなくても、この年の品質は十分に充たされます。ワインはとてもフッレシュに、例外的にフルウティで十分なアルコールも含むものになるでしょう。酸味は過去の年よりもすっきりしたものになるでしょう、とルッテンベルガー氏が述べてます。

ウィーン州

入念なブドウ畑の仕事により前年よりも少し多めの収穫がありましたが、2009年の雹による木の大きな被害で収穫は今だに平均より低くなっています。地域的に様々でブドウの品質と腐敗の可能性が違い、そして雨の量は ドナウ川の両サイドで300mmまでの差がありました。ウィーンでも収穫の成功は又今年も畑仕事のこつを心得ているワイナリーにありました。軽いワインの傍ら同様に重みのある在庫に耐えるフルウティ な酸味のしっかりしたワインもあります。

ニーダーエスタライヒ州

開花時期の悪い天候と同じく弱いブドウの結実があり、そのために収穫量は平均より遥か下でした。気候に関しては9月中旬ですでに一年間半の年間雨量が記録されました。それで畑仕事は大変複雑なものになりました。一回噴霧するのは時宜的に必要ですが、もし雨が続けて降る場合の備えのためにもう一回噴霧することが必要でした。そして雨が実際に降ったため二回目の噴霧をしなかった栽培者は収穫期を延ばす事が出来ず、ブドウの健康が少しでも悪くなった最初の印で収穫を始めなければなりませんでした。難しい決断でした。雨の量は地域によって大変な差がありました。その際の長所は9月の湿った天気と低い気温のため腐敗が進まなかったことでした。グリューナー・ヴェルトリーナーの収穫が本格的に始まった10月の初めには最初の若いワインがすでビン詰めでマーケットに出回りました。地域的に様々な収穫時期によりニーダーエスタライヒ州では面白いヴィンテージが期待されます。

品質

スリムな、フルウティな酸味を強調したものから成熟した完全にバランスの取れたものまでオーストリアの2010年度のワインは全て見出されます。ブドウの健康を注意し、早めに収穫したためアルコール含有量のモデラートな飲みやすいワインができました。特にフルウティな輝きとぴりりとした酸味のあるフルウティで軽やかな良い白ワインを楽しめるでしょう。又赤ワインも同様にフルウティでスパイシーな年になるでしょう。2010年度のワインはワイン醸造者にとって最初から大きな挑戦でした。気象状況の特異さが素早い反応を畑仕事や収穫やヴィニフィケーションの際に求められました。この年はオーストリアのワイン醸造者の手仕事の素晴らしさを再び証明しました。

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