2021年の収穫:やや遅めの収穫、フルーティで調和のとれたワインが見込まれる

また、「上半期のやや冷涼な天候は、いくつかの利点をもたらしました。ブドウ樹の成長が遅くなったことで、遅霜による被害のリスクが大幅に減りました。他のヨーロッパのワイン生産地はそれほど幸運ではなく、フランスとイタリアの大部分、そしてドイツの一部の地域では、かなりの霜害を受けました。全体的に見て、今年のヨーロッパワイン市場に影響を与えるでしょう。」と付け加えました。
2021年の天候
冬の降雨量が控えめだったため、今年の栽培シーズンは非常に変わりやすいものとなりました。3月と4月は涼しい時期と非常に暖かい時期が交互に訪れ、全体的に強い乾燥状態でした。多くの場合、ブドウの芽吹きは比較的遅い4月の終わり頃でした。5月の冷涼な天候は、ブドウ樹の成長をわずかに遅らせましたが、これは遅霜のリスクという点では有益でした。5月の気温が低かったため、開花は6月中旬になりましたが、月初に気温が上がり、非常に早く進みました。
雹と豪雨
6月以降、気温が30℃を超える日が何度もあり、水分を含んだ熱い空気に加えて、雨や雹が激しく降りました。6月24日には、ヴァインフィアテルのブドウ畑約1,000ヘクタールが雹の被害を受けました。
7月は暑くて雨が多く、さらにヴァッハウ、ウィーン、ミッテルブルゲンラント、 ジュートシュタイーマーク、ヴァルカンランドなど多くのワイン生産地で大きな雹が降りました。クレムスタールおよびトライゼンタール地域での豪雨により、かなりの洪水が発生しました。ちなみに、ドイツのワイン生産地アールでの壊滅的な洪水被害も、同時期に発生しています。降雨と高温により、ブドウ畑では深刻なカビの被害が発生し、ブドウ樹への注意と手当てが特に必要でした。


ブドウの成熟、ワインへの期待
萌芽は比較的遅く、開花も遅かったにもかかわらず、熱と湿気を伴う天候のおかげで、ブドウの成熟は加速し、前年と同様のペースで進みました。成熟は通常のやや涼しい時期までずれ込み、夜間もやや冷え込んできたことから、それに見合った糖度と適度な酸味が期待でき、今年も非常にフルーティーで調和のとれたワインが期待できます。
平均的な収穫量
量としては、平均的な収穫量が期待できます。開花期の暑さの影響で一部に花ぶるいが見られたものの、全体的に結実は良好でした。雨が多かったので、ブドウの周りの通気性を良くするため、キャノピーの風通しを考慮してブドウ樹を手入れする必要がありました。これにより、ほとんどの場所で健全なブドウが育ちました。
9月、収穫開始
「ワイン生産者たちは、完熟し調和のとれたブドウ(ワイン)を収穫するため、暖かく乾燥した秋を期待しています。各ワイン生産地の予測によると、今年のワイン収穫量は年間平均並みの240万ヘクトリットルが見込まれています。ブドウジュースやシュトゥルム(部分的に発酵させたブドウ果汁)の生産のための早摘みを除けば、収穫はノイジードル湖周辺では9月前半に、その他の多くの地域では9月中旬頃に始まります。ほとんどの地域では、主な収穫は9月下旬から10月上旬に行われるでしょう」と、シュムケンシュラガー氏は伝えました。
- ほどんとの産地で健全なブドウが期待できる
- 非常にフルーティで調和の取れたワインが期待できる
約240万ヘクトリットルの見込み(15年平均=240万hl)
- 多くの場合、萌芽は遅れるが、遅霜の被害はない。
- 開花も遅れ、一部に花ぶるい
- 6月の早い時期から暑い日が続き、夏の雹や大雨で大きな被害が出た地域もある
- 晩熟で、糖度と酸度のバランスが良い
- 降雨の結果、健全なブドウを収穫するためには、ブドウ樹の慎重な手入れが必要となった。
詳細情報
Österreichischer Weinbauverband (Austrian Winegrowers Association): Prof. Dipl.-Ing. Josef Glatt MBA
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Press relations, Chamber of Agriculture: Prof. Dr. Josef Siffert
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