クレムスタールのオルツヴァインも定義する集中的な法改正ー オーストリアワイン法が包括的に改正となりました。ヴァーグラムは、地域典型的なワインとして保護されたDAC指定を適用するオーストリアで17番目のワイン生産地となります。原産地呼称保護(ゼクトg.U.(PDO))を伴うゼクトは、今後、ゼクト・オーストリア(PDO)という呼称になります。また、クレムスタール地方には、9つのオルツヴァイン(村名称ワイン)の原産地が法的に定められました。
ヴァーグラムDACの3等級:ゲベイツヴァイン、オルツヴァイン、リーデンヴァイン
集中審議を経て、ヴァーグラム地方はDAC規定の草案を提出し、このたびオーストリア農業・サステナビリティ・観光省大臣エリザベート・ケスティンガー氏が署名しました。これにより、オーストリアで17番目の保護原産地呼称「ヴァーグラムDAC」が誕生しました。
ヴァーグラムは、他の産地同様、DACワインをゲべイツヴァイン(地方名称ワイン)、オルツヴァイン(村名称ワイン)、リーデンヴァイン(単一畑ワイン)のカテゴリーに細分化することを決定。ゲベイツヴァインの等級では、白と赤の両品種を含む伝統的な13品種のブドウの使用が認められています。ゲミッシュター・サッツ(フィールドブレンド)とキュヴェのブレンドも認められています。オルツヴァインに関しては、DAC規定による27の保護原産地呼称が定められています。許可されるブドウ品種の数はわずか7種に絞られ、これらのワインは単一品種で生産することが義務付けられています。原産地ピラミッドの頂点に位置するのがリーデンヴァイン、すなわち法的に定められた単一のブドウ畑から造られるワインです。使用許可品種は、リースリングと、ヴァーグラムの代表的な白品種であるグリューナーとローター・ヴェルトリーナーです。
すべてのワインは「辛口」の定義に適合していなければならず、白ワインはいかなる場合でもオークの香りが支配的であってはなりません。この規定は、2021年以降のヴィンテージのワインに適用されます。
オーストリアワイン(オーストリアワインマーケティング協会)のCEOであるクリス・ヨークは、「ヴァーグラムのワイン生産者にとって、これは簡単なことではありませんでしたが、包括的な議論と多くの考察を経て、ヴァーグラム地域はDACファミリーの一員になることができました」と熱く語り、「我々はこれから、原産地呼称マーケティングを成功させる道を共に追求していきます。」と述べました。
ヴァーグラムDAC原産地の仕組み
2021年から
辛口、白ワインはオークの風味がない
収穫翌年の1月1日時点で連邦検査番号を提出
辛口、白ワインはオークの風味がない
収穫年の12月1日時点で連邦検査番号を提出
ゼクトg.U.(PDO)をゼクト・オーストリア(PDO)に変更
今回の改正は、オーストリアのスパークリングワインにも大きな変化をもたらすものです。今後、原産地呼称保護(ゼクトg.U. (PDO))は、「ゼクト・オーストリア(PDO)」、「ゼクト・オーストリア・リザーヴ(PDO)」、「ゼクト・オーストリア・グローセ・リザーヴ(PDO)」という呼称になります。これは、今後ゼクト(オーストリア産のブドウを使用し国内でゼクトとして製造したもの)が100%オーストリア産であることをより明確に伝えることを目的としています。オーストリアのゼクトは、ボトル上部の赤白赤のバンデロールで簡単に識別できます。
「私たちのゼクトは最高品質で、国際的にますます人気が高まっています」とヨーク氏。「100%オーストリア産のスパークリングワインに「ゼクト・オーストリア」という呼称を採用することで、3つのクラスからなるこれらのプレミアムワインの明確な位置づけとプロフィールを創出します。」
ゼクト・オーストリア(PDO)には、世界最高峰のスパークリングワインに準ずる厳しい規定が適用されています。例えば、ゼクト・オーストリア(PDO)は少なくとも9カ月、リザーヴは18カ月以上、そしてグローセ・リザーヴは36ヶ月以上(従来は30カ月)澱と共に熟成させることが義務付けられています。リザーヴとグローセ・リザーヴは手摘みが義務付けられています。ゼクト・オーストリア(PDO)とゼクト・オーストリア・リザーヴ(PDO)のブドウは単一の連邦州産、グローセ・リザーヴのブドウは単一の自治体内で収穫されたものを使用しなければならなりません。この等級には単一畑産ゼクトも含まれます。
クレムスタール:法的に定められた9つのオルツヴァインの原産地
今回の法改正では、クレムスタールに関するDAC規定の更新も含まれています。オルツヴァイン(村名称ワイン)等級では、ラベルに記載することが許される9つの原産地;クレムス、シュタイン、ローレンドルフ、ゲデルスドルフ、ストラッツィング、ゼンフテンベルク、フュルト、ヘーベンバッハ、クリュステッテンが、法的に定義されています。
ディストリクタス・アウストリ・コントラタス(DAC)は、オーストリアのクヴァリテーツヴァインの産地呼称として、地域典型的な特徴を持つワインを法的に指定しています。これは、ワイン生産地の名称が 「DAC 」と共にラベルに記載されている場合、そのボトルのワインはその地域の典型的なクヴァリテーツヴァイン(良質ワイン)であり、その地域のみで収穫されたブドウから造られたものであることを意味します。DACワインは、DAC原産地に指定されたブドウ品種からのみ生産することができ、その産地の法令に定められた条件をすべて満たしていなければなりません。現在オーストリアには17のDACワイン生産地域があり、DAC規定を満たさないワインは、連邦州原産と表示され、この原産地レベルのワインに多様性をもたらしています。
- ゲべイツヴァイン(地方名称ワイン)、オルツヴァイン(村名称ワイン)、リーデンヴァイン(単一畑ワイン)に分類
- 2021年ヴィンテージより適用
- ゲべイツヴァイン: 13の認定品種(白と赤)、ゲミッシュター・サッツ(フィールドブレンド)とキュヴェのブレンド
- オルツヴァイン: 7の認定品種、 27の認定原産地
- リーデンヴァイン: 認定品種は、グリューナー・ヴェルトリーナー、ローター・ヴェルトリーナー、リースリング
- 風味の特徴:
- 全てのワインは辛口でなければならない
- 白ワインはオークの特徴が支配的でない
- 今後、原産地呼称保護(Sekt g.U.(PDO))を受けたオーストリアのゼクトは、以下の呼称で保護される:
- 100%オーストリア産ブドウを使用
- ボトル上部の赤白赤のバンデロールで簡単に識別できる
- 以下のような厳格な生産規定
- リザーヴとグローセ・リザーヴは手摘みが義務付けられている